「私はアルライン、愚かで醜い娘です」あとがき
- おふらんど
- 2020年11月23日
- 読了時間: 12分
いつものあとがきです。ネタバレあるのでご注意ください。
この話は7月末に書き始めて8月にはだいぶ完成に近づき9月には公開できるな〜と思っていたのだが腕の痛みが限界に達し、10月に伸びてしまった。
実作業時間は大体1ヶ月半くらいか。私にしてはかなり短い方だ。
同じくらいの期間だと「その恋は獣と化す」がある。あれも割とすぐ書けた。
長いのは一年半……。差がすごい。
何回か「おわらないよ〜」と言っている長編は終わる兆しが消えた。終わらないよ!!
今月は高校生たちのすれ違い短編も公開している。サイトにあるのでぜひ。
あと「尻軽聖女様~」の番外編を追加したのでもしお時間あれば読んでください。
登場人物について
【アルラ】
本来はアルライン・ヤクスだが、ダユトたちに引き取られたのでアルラ・カラフネネル。
19歳の春生まれ。身長160cm程度でやや肉感的な体型(ヴィーナス像的な)。引きこもってるからね。
ブロンズヘアに青目。
ダユトの家の手伝いをしているが、この村では17歳で独り立ちして中には結婚して子供もいるくらいなので、19歳でダユトにべったりなのは自立してないと思われている。その通りだけど。精神年齢は我々の社会での15歳くらい。
家事は完璧。特に料理が得意。服は彼女が作ることが多い。
好きな食べ物は煮魚とホットチョコレート。苦手な食べ物は歯にくっつくもの(ヌガーとか)。
編み物が趣味。
14歳の時に恋人という概念を教わりそれ以来自分のダユトへの気持ちが恋だと知る。
友達はゼロ。親しい人もゼロ。本当にダユトしかいない。
だから気軽に話しかけてくれてサッパリした性格のオーヴェルと(表面上は)優しいヨニナのことも好き。
ダユト:ラブ
オーヴェル:面白い人
ヨニナ:尊敬、憧れ
チェイラ:許せないけど許すしかない
【ダユト】
ダユト・カラフネネル。
25歳の夏生まれ。身長は180cm程度でがっしりした体格。力も強い。
黒髪灰色目かな?
教会にて医者の見習いをしている。物覚えも良く勉強熱心だが給料は悪い。
教会は高いところにあるのでそこから街を見下ろしてアルラが外に出ていないか見張っている。
好きな食べ物は豆のスープ。嫌いな食べ物は特に無し。
アルラを守りたい、アルラが幸せならなんでも良いという考えをしている。
父親譲りの外見と体格がコンプレックス。
モテるかモテないかでいったらモテない。彼の父親の話を村の娘たちはよく聞かされているので、その血を継いでいるダユトには恐怖心を抱いている。
村を出たらモテるようになる。優しいからね。
村に溶け込めていたらアルラにここまで入れ込むことはなかったし、初恋も他の女の子としてたんだろうなあ。普通の人になれていたかもしれない。
アルラ:ラブ、執着、依存
オーヴェル:華奢で威圧感の無い彼にコンプレックス
ヨニナ:胡散臭すぎ、嫌い
チェイラ:憎悪
【オーヴェル】
オーヴェル・ニッツ。
20歳の冬生まれ。身長170cmほどで細身。肉は少なくて骨張ってる。
こげ茶の髪に琥珀色の目。中性的な超美形。
画家を志していたが諦めて現在求職中。
好きな食べ物は芋を練ったやつ。嫌いな食べ物は味が濃いもの。
幼い頃にアルラの素顔を見た人物。そのショックで悪夢を見続けている。
ダユトがチェイラに怒っているところを気が狂って一人で怒っていると勘違いして、それがトラウマになり方向感覚が鈍ってしまった。
この通り感受性が豊かで繊細なのだが性格は大雑把。
アルラのことは逃げ出したかったが、過去をこのままにしてはいけないと村に戻りトラウマと対面する決意をする。
ヨニナのことがとっても好き。少々メンがヘラってる。
モテるかモテないかでいったらモテる。モテモテ。でも若干空気が読めず女性の扱いも上手いわけでは無いので恋人にというか、観賞用という扱い。
過去に恋人は三人いた。画塾の子、パン屋の子、画塾の子。一人目は好きって言われて嬉しくて答えたけど女心わからなすぎて振られる。二人目は友達の延長戦として付き合ったけど友達でいた方がお互い楽しかったねと別れる。三人目はオーヴェルが絵の上手い彼女にコンプレックスを抱いてうまくいかなくなる。
友好関係は狭く浅く。みんなはオーヴェルのこと好きなのにオーヴェルは簡単に人付き合いを切ってしまう。
アルラ:トラウマその1
ダユト:トラウマその2
ヨニナ:可愛い!美人!好き!愛!
【ヨニナ】
ヨニナ・ザンデセタ。
31歳の冬生まれ。身長は160~170cmほど。ほっそりした中性的な体型。
プラチナブロンドに翠の目? 明るく溌剌とした印象を与える顔。実際は嘘つきで本音を人に言わない、毒のある性格。情はある。
やり手のバリキャリ。敵も味方も多い。
食べること自体好きでは無いので好き嫌いはない。
チェイラの詩に惚れ込んでいたが自分の父親と浮気し赤ん坊に虐待し更に母親を自殺に追い込んだ相手と知り一気に反転、憎悪を募らせる。
アルラの腹違いの姉。似てない(アルラは両親のどちらにもあまり似てない)
チェイラのいた村の出身であるオーヴェルに近づいたが、彼の描く絵が余りにも好みで心を奪われてしまう。
以降オーヴェルの絵は本物の芸術であると考え創作の邪魔をしまい(芸術は苦痛から生まれると思っている)と彼と距離を取ろうとする。けどオーヴェルはヨニナと恋人になりたいので近づいてくる。
オーヴェルの言う通りヨニナは悪趣味で露悪的なものが好きなのでオーヴェルの絵が素晴らしいものと思っているが……。
モテるかモテないかで言ったら微妙。野心が強いので特に男からあまり好かれない。恋人はいたことはあるが毎度長続きしない。
友達は広く浅く。
アルラ:義理の妹ということで気にかける
ダユト:キチガイ
オーヴェル:彼の絵も彼自身も好き
チェイラ:探し出して殺す
【チェイラ】
チェイラ・ヤクス。
40歳。秋生まれ。160cmでどちらかというと華奢な体型。黒髪に青目。
14歳の時子供とは思えない情緒的な詩を書くとして一躍脚光を浴びる。
しかし彼女の精神年齢はそれ以降上がらなかった。
俳優のテドス・ザンデセタと不倫し、妻を自殺に追い込みその姿を詩にする。
結婚を迫るもアッサリ捨てられ、それでも彼を繋ぎ止めようと赤ん坊のアルラを連れてヨニナの家族の前でアルラの顔を傷付けるが、醜聞を恐れたテドスに追い払われる。
出産後詩が書けなくなりダユトの家に寄生するが、少しして別の街で別の人に寄生した。(心優しい孤独なおばあさん)
10年後探し当てたダユトに謝罪を要求され断ると監禁される。
【ハヨッド】
ハヨッド・ジェーイ。
52歳。180cm。ダユトの父の暴行により肩が体の内側に入り込むような形で捻れている。
ダユトの母を先に好きになったのはハヨッド。
後にハヨッドの想いに気づいたダユトの父にボコされた。
ダユト父がいなくなった後、ダユト母に再婚を迫るが一度も想いに応えてもらえたことはない。ハヨッドはダユトも大事にすると言ったが、父親似のダユトを愛するどころかまた酷い目に合わせるだろうと見抜いていた。
憎き男と愛した女の忘れ形見であるダユトに複雑な感情を抱いている。
書いてる間何回もダユトとオーヴェルの名前間違えた……。うっかり誤字で地獄を作り出してしまっていた。
今回の名前は特にシリーズとかでなく、「ファンタジー系カタカナ名前を男女別にランダム自動生成」で作った名前。こちらのサイトすごく便利です。
今回はディズニーのノートルダムの鐘をベースに話を考えてみた。
世間から閉ざされた主人公が人と出会い世界が広がっていく、火事といった展開、序盤の「朝近所の人たちと交わして買い物に~」のところはかなり意識した。
主人公は醜い女の子にしようと思ったが、ルッキズム……そういう難しいことをテーマにすると私には扱いきれないのでやめた。
そこで主人公の顔に言葉が刻まれていて、それがタイトルになっていたら面白いと思いそのように。
「愚かで醜い娘」という言葉自体は怖くもなんともないが、それを顔に刻まれているのに気付かないで幸せそうにしている女の子というのはちょっと薄気味悪いんじゃなかろうか。
アルラの顔に文字が書かれてること、ヴィホネルさんの正体、そしてヨニナの目的の3つが一応この話のオチなのだがどうだったのだろう。
アルラの顔についてはオーヴェルが匂わせをしまくったのと、ヴィホネルさんに関しては寝たきりの老人という意味ありげなモチーフで勘の良い人は気づいたと思う。
シックスセンスみたいに最後のオチが途中でわかろうがわかるまいが変わらない面白さがあると良いんですけどね。難しいね。(シックスセンスのオチ全然気付けなかった。鈍いもんで、叙述トリックは全部引っかかります)
メインテーマはノートルダムの鐘ではなく過保護系ヤンデレ。
ダユトとアルラのイチャイチャが一応メインである。最初から最後までお互い以外眼中に無い2人。今後他の人に目移りすることも絶対に無い。死ぬ時も一緒だと思う。
2人ともひどい親に翻弄された人生である。また毒親か……毒親出すの何回目だろう。毒というか屑というかゲスというか。
村のイメージはノートルダムはもちろん、映画の「ショコラ」や「ウェールズの山」などが混ざってる。田舎で閉鎖的で排他的なイメージ。映画で登場した村はそんなひどくなかったけど……。
毎度のことだが書きながら設定を考えるので、書き出した時はアルラの顔のこととダユトが過保護ということくらいしか決めていなかった。
なので適当にヴィホネルさんなる人物がいるとしたが、さてどうしたものかなと考えてあのような設定にした。
そんなヴィホネルさんの扱いは……ネタバレになってしまうのだけど、最近出たとても面白いホラーゲーム……一人称視点の……やつを見て面白いと思ったので……。
(※ゲームのネタバレOKな人反転してください。
バイオハザード7のこと。
→ゲームのネタバレ含むあらすじ
主人公は失踪した妻から3年ぶりに連絡が来る。彼女に会いに行こうとして恐ろしい一家に捕まってしまい、逃げ出すためにその家の中を探索することになる。登場人物は謎多き妻、凶暴な夫婦と発明家でキチな息子、電話越しに味方してくれる娘、そして寝たきりのおばあさん。このおばあさんが実はラスボスだったという展開)
諸々おかしなところはあるが、ファンタジーなので……なんでもありということでお願いします。
チェイラは最後ヨニナに嵌められ死んでしまうが、これも野犬ってそこまで凶暴か!? という疑問はある。
というか前も野犬に人食わせたな……。犬を都合よく使いすぎている。
ヨニナがチェイラを殺した報いを受けないのはどうかなあとも思うが直接手を下したわけでないしね。
しかし殺しが許されるほど悪いことをしたかと言われると微妙……。
・ヨニナの母親を自殺に追い詰める
・死体の描写を世間に発表し続けていた
・ダユトの父親を殺した共犯(一応ダユトたちを助けている)
・ヨニナたちの目の前でアルラの顔に傷を付けた
・家に火をつけアルラとダユトを殺そうとした
……まあ、もしかしたら犬に襲われても生きてるかもしれないしね!
チェイラは日中アルラが畑に出ている隙に動き回って色々していた様子。
それでもたまに、ダユトの前では意識を取り戻した演技もしていたのかな。そして2人口論していたところを幼いオーヴェルは目撃、発狂してしまうわけだ。
ダユトが寝たきりの(フリをしている)チェイラを世話していたわけだが……やっぱ体力無いと成人女性の介護と肉体労働系の仕事の両立は難しいと思う。そういう点から見てもダユトはムキムキなんだろう。刺されても死なないし。
あれが例えばオーヴェルだったらまずアルラを庇うことすら出来ないと思う。そんなに素早く動けない。
ダユトとアルラの喋り方は似せている。アルラはダユトとしか話さないので他の話し方を知らない。
ダユトが穏やかな話し方をするのは、お父さんみたいになりたくないから。けど体型やお酒好きなところは確実に遺伝しちゃってるよね……。とは言え、お酒を飲んで陽気になるのは母親譲り。
この国は15でお酒を飲んでいいのでダユトが15で飲み始めたのはなんら問題ない。
アルラはダユトとお母さんの愛情を一身に受けて育ったので素直でいい子……にしたつもり。
けど普通の育てられ方してないのでズレてるところはあるし基本ダユトにしか興味ない。
ちょっと育て方を間違えるとチェイラやヨニナみたいな人になってしまったんだろうか? 恐ろしい。
ヨニナはどうしようもない。
本編の中盤というか、最後の彼女視点になるまで本音を殆ど話していなかったはず。チェイラの詩も好きだというのは方便でしかない(アルラが必死に謝った意味……)。
ヨニナの持論の芸術家は孤独でなくてはならないってなんじゃそりゃって感じだが、これはチェイラの考えによるもの。
それを聞いたオーヴェルは何バカなこと言ってるんだ!? と驚いていた。 自分の母親の死体を描いた詩に惹かれ、自分の妹の顔の皮を剥がす絵に惹かれ、本当に趣味が悪い。
今回の話の登場人物で一番まともなのはオーヴェルか。アルラもまともかなと思うけどボケボケだし。
彼は若干メンがヘラっているけれど常識的ではある。
空気が読めず言わんで良いことを言ってしまいがちなのだがヨニナはそんなオーヴェルが可愛い様子。
ヨニナが攻める感じのカップルかなと思ったが、書いてみたら割とオーヴェルが振り回していた。
オーヴェルは死後絵が評価されるタイプだと思うがそれだと可哀想な気もする。
アルラダユトが割とプラトニック(!?)なので、オーヴェルヨニナはアダルト(!?)な感じにしてみた。アダルト……!?
しかしアルラはボケボケだけど生き物飼育しているので性の知識はゼロじゃない。なのでダユトがアルラを騙していかがわしいことを、とかは無いのでご安心を……。キスまでです……。
私は男と女がすれ違いつつもラブラブなのが一番好きで、それと同じくらい殺し愛(殺し合いしながら愛し合っていること)が好きで、そしてその次に本当に全然仲良くない男女というのが好きだ。
恋愛には絶対ならない仲の悪さ。
そういう趣味があるのでダユトとヨニナの仲を険悪にしてみた。
少しも仲良くできなさそう……互いを嫌悪しあって、喧嘩すらしないレベルの相性の合わなさ……。長所は少しも気付かないし認め合うこともないだろうな。
萌えである。
ちなみに、恋愛には絶対ならない仲の良い(?)男女も好きなので、アルラとオーヴェルの関係も萌えである。
あちらもあちらで相性はそんなに良くない。オーヴェルはマイペースでアルラを振り回すので彼女はちょっと疲れてしまう。
でもアルラはオーヴェルのことを尊敬している。オーヴェルはそういうの無い。まあちょっと心配してはいるか。
読んでいる人がアルラとダユトとオーヴェルの三角関係だと思ったら読みにくいかなと思い、何度もオーヴェルはアルラのこと全然好きじゃない描写入れたのだが、入れれば入れるほど逆に好きみたいになって難しかった。
あと周りから怖がられていたり嫌われている人が好きなのでオーヴェルにはダユトのことを怖がってもらった。
本編もこのあとがきも読んでくださった方へ。ありがとうございました。
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